日本医師会認定健康スポーツ医制度
認定健康スポーツ医の手引き(日本医師会作成)
I 目的
日本医師会は、健康スポーツ医の養成とその資質向上を通して地域保健活動の一環である健康スポーツ医活動の推進を図るために、日本医師会が定めた講習科目に基づく健康スポーツ医学講習会を修了したと認められる医師に日本医師会認定健康スポーツ医の認定証を交付します。
またこの認定証は、有効期限5年間に再研修会5単位以上を修了し、実践活動を行った医師について、更新することができます。
II 健康スポーツ医学講習会
- 講習科目
前
期- スポーツ医学概論【60分】
- 神経・筋の運動生理とトレーニング効果【60分】
- 呼吸・循環系の運動生理とトレーニング効果【60分】
- 内分泌・代謝系の運動生理とトレーニング効果【60分】
- 運動と栄養・食事・飲料【60分】
- 女性と運動【60分】
- 発育期と運動………小児科系【60分】
- 中高年者と運動………内科系【60分】
- 発育期と運動………整形外科系【60分】
- 中高年者と運動………整形外科系【60分】
- メンタルヘルスと運動【60分】
- 運動のためのメディカルチェック………内科系【60分】
- 運動のためのメディカルチェック………整形外科系【60分】
後
期- 運動と内科的障害………急性期・慢性期【60分】
- スポーツによる外傷と障害(1)………上肢【60分】
- スポーツによる外傷と障害(2)………下肢【60分】
- スポーツによる外傷と障害(3)………脊椎・体幹【60分】
- スポーツによる外傷と障害(4)………頭部【60分】
- 運動負荷試験と運動処方の基本【60分】
- 運動療法とリハビリテーション………内科系疾患【60分】
- 運動療法とリハビリテーション………運動器疾患【60分】
- アンチ・ドーピング【60分】
- 障害者とスポーツ【60分】
- 保健指導【60分】
- スポーツ現場での救急処置【60分】
- 講習会の開催
日本医師会または日本医師会の承認する講習会として承認を受けた都道府県医師会等で開催します。 - 修了証
健康スポーツ医学講習会の前期を修了した医師には前期修了証を交付し、また後期を修了した医師には後期修了証を交付します。
健康スポーツ医学講習会の前期修了証、後期修了証は実施主体のいずれかを問わず共通の取り扱いとなります。
III 申請の資格、手続き、登録
- 資格
健康スポーツ医学講習会(前期ならびに後期)を修了していることが必要です。ただし、次の医師はすでに十分な講習を受講修了しているとみなし、初回の新規申請時1回に限り日本医師会の健康スポーツ医学講習会が受講免除になります。
- 日本整形外科学会認定スポーツ医
- 日本整形外科学会スポーツ医学研修会総論A修了者
- 日本体育協会公認スポーツドクター
- 日本体育協会公認スポーツドクター養成講習会基礎科目修了者
- 手続き
次の書類に審査・登録料10,000円を添えて所属の都道府県医師会(医師会員でない医師は勤務地の都道府県医師会)に提出して下さい。
- 認定健康スポーツ医新規申請書
- 医師免許証の写【医師会員は不要】
- 健康スポーツ医学講習会の修了証や認定証の写など
- 審査
都道府県医師会長は、認定健康スポーツ医新規申請書の届け出を受けた場合には、健康スポーツ医学講習会の受講状況などを審査した上で、日本医師会長に推薦します。
日本医師会長は、都道府県医師会長から推薦された医師について、審査を行って認定し、認定証を交付します。 - 登録
日本医師会は、認定健康スポーツ医登録台帳に認定証被交付者名などを登録します。
認定有効期間は5年間です。
登録された医師は、住所など登録事項に変更を生じた時には、速やかに、都道府県医師会を通じて、日本医師会に届け出て下さい。
IV 更新
- 趣旨
認定健康スポーツ医制度が社会的に活用されるためには、常に健康スポ-ツ医の資質の維持向上を図ることが重要であります。そのための再研修会などを受講した健康スポーツ医は認定証の更新ができます。 - 資格と手続き
【1】資格
更新のためには、認定を受け登録された日から5年間に次の要件を満たすことが必要です。- 日本医師会が実施または承認した再研修会5単位以上を受講修了していること(1単位は60分とする)。
- 健康スポーツ医として学校、職場、地域などにおいてスポーツ医学の立場からの指導・教育・診療などの実践活動を行っていること。
【2】手続き
次の書類に審査・登録料10,000円を添えて所属の都道府県医師会(医師会員でない医師は勤務地の都道府県医師会)に提出して下さい。
- 健康スポーツ医更新申請書
- 再研修会受講証明書(合計して5単位以上であること)
- 健康スポーツ医としての実践活動を証明する書類など
- 健康スポーツ医としての実践活動については以下の例が考えられます。
・学校医としてのスポーツ医活動
・産業医としてのスポーツ医活動
・日常診察の中での運動に関する指導(メディカルチェック、運動処方、運動療法等)
・競技大会等へ派遣(救護所における救急対応等)
・各種スポーツクラブでの活動(チームドクター等)
・スポーツ施設、健康増進施設、保健センター等での活動(健康増進施設嘱託医等)
・地域におけるスポーツイベントへの参加、スポーツ医事相談等
※尚、実践活動の証明については、第三者による証明が難しい場合は、健康スポーツ医ご自身で活動内容を更新申請書に記入して下さい。
- 再研修会の開催
日本医師会が行う再研修会のほか、都道府県医師会などでも、健康スポーツ医のための再研修会を開催します。 - 再研修会の内容
■例示- 運動プログラム特論
- スポーツ栄養特論
- 女性とスポーツ特論
- 発育期の運動特論
- 中高年齢者の運動特論
- 運動処方特論
- 運動処方実習
- 運動負荷テスト特論
- 運動負荷テスト実習
- 運動療法特論
- その他、スポーツ医学に関連することなど
- 審査と登録
新規認定と同様です。
V 問い合わせ
日本医師会認定健康スポーツ医制度は、都道府県医師会が各種申請手続きの窓口になりますので、申請手続きなどについて不明な点は所属または勤務地の都道府県医師会へお問い合わせ下さい。