センターニュース かわら版
昨年の高年齢者雇用安定法の改正により、事業主の70歳までの雇用確保の努力義務が定められました。更に、令和4年1月1日から、65歳以上の方を対象とした『雇用保険マルチジョブホルダー制度』が施行されています。
本号では、そのマルチジョブホルダー制度についてお伝えします。これらの制度により、経験豊富なベテランの方が活躍できる環境を整え、安定した人員の確保にもつながることが期待できるのではないでしょうか。
対象となるのは、以下の条件をすべて満たす労働者です。
<例>
厚生労働省『雇用保険のマルチジョブホルダー制度の
申請パンフレット』P1より
通常、雇用保険の資格の取得・喪失の手続きは事業主が行いますが、雇用保険マルチジョブホルダー制度においては、労働者本人がハローワークへの申出(手続き)を行う必要があります。
ハローワークに申出を行った日から、特例的に雇用保険の被保険者(マルチ高年齢被保険者)となることができます。
マルチ高年齢被保険者が失業した場合、高年齢求職者給付金を受給できるようになります。また、育児休業給付、介護休業給付、教育訓練給付も対象となります。但し、いずれも受給するには一定の条件を満たすことが必要です。
本制度の詳細は、パンフレットをご参照ください
⇒ https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000838543.pdf
事業主の皆さまには、労働者からの依頼に基づき、雇用の事実や所定労働時間等の証明を速やかに行い、手続きが円滑に進むようご協力をお願いします。
医療労務管理アドバイザー / 社会保険労務士
前川 光子