労働時間の原則(三重医報 第669号掲載)
毎月、労務管理でのワンポイントを掲載させていただきますが、本号では、労働時間等1(原則、及び、変形労働時間)の説明をいたします。
- 労働時間とは勤務に従事させる時間であって、労働条件として職員と約束した賃金を支払わなければならない時間のことです。
- 労働基準法では、労働時間は1週間に40時間以内・1日に8時間以内とするよう基準を定め、これを法定労働時間と言いますが、勤務事情によって一定期間(1週・1か月・1年以内)を平均して1週40時間・1日8時間以内とすることも変形労働時間制として、就業規則に定める・労使協定を締結する等を条件に認めています。(労基法32条・32条の2〜5)
変形労働時間制は事業場全体を単位とするのではなく、部署単位で異なった期間とすることができますが、医療機関では1週単位は採用することはできず、1年単位は「業務繁閑に合せて1年の一定期間ごとの勤務時間を決め、1日10時間以内の勤務・1年の休日を事前に定める」との制約(3か月以上の期間の場合)があるので医療従事者の勤務部署(病棟等)には不向きであり、一般に1か月単位の期間を採用されていると思います。
- 変形労働時間制での所定労働時間は、事前に「一定期間の平均が法定労働時間以内となるように定めた1日・1週・1か月の勤務時間を勤務表で決めておられると思いますが、その時間を超えた時間が時間外労働(法律上は、1日では8時間を超えた時間、1週では40時間を超えた時間に割増賃金支払いが必要)となります。
1か月の労働時間清算では、31日の月は177時間、30日の月は171時間、2月は160時間を超えた時間(1日・1週で法定労働時間超として割増賃金の対象とした時間を除いて)には割増賃金支払いが必要です。
- 法定休日は1週間に1日以上が原則で、4週に4日とすることも認められていて、変形労働時間制では設定期間の労働時間の制約により1か月に9日程度の休日を設けることが一般的ですが、1週1日の法定休日確保のうえ他の休日に勤務させれば法的には時間外労働となりますのでご留意ください。
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