休憩時間(三重医報 第670号掲載)
毎月、労務管理でのワンポイントを掲載させていただきますが、本号では、労働時間等2(休憩)の説明をいたします。
- 労働者の労働時間の制限は基本的に1日8時間(変形労働時間制では、定めた期間の平均)で、労使協定により臨時的に法定労働時間を超えて勤務させることができることは前号で説明しましたが、労働基準法(第34条)では一定の時間を超える勤務においては「勤務途中に休憩時間」を設けることを義務付けていて、1日の勤務が6時間を超えるときは45分以上、8時間を超えるときは1時間以上の休憩を与えなければなりません。
一般の事業では休憩時間は一斉(同一時刻)に付与することとされていますが、医療の事業(運輸業等も)は業務の性質を考慮して「適用除外(第40条)」されていますので、就業規則に「休憩時間は原則○○時〜○○時、但し変形労働時間制適用の部署については法定基準に基づき勤務表により定める」等の規定をすれば勤務部署・勤務チーム・各労働者ごとに休憩時刻を設けることができますが、年少者(18歳未満)は適用除外できない(第60条)ので原則休憩時間で取り扱う必要があることに留意してください。
- 1日の所定勤務時間は8時間以内で定めるものですから、45分の休憩時間を設ければ法定基準を満たしますが、その日に時間外勤務を命じて勤務時間が8時間を超えるときには「1時間の休憩」が必要になり、45分の休憩時間を設けている場合は「時間外勤務の前に15分の休憩追加」が必要で、これも就業規則に「時間外勤務を命じるときは勤務途中に15分の休憩時間を設ける」等の規定が必要であることに留意してください。
- 休憩時間は、労働者が自由に過ごせることが必要で、「外出は所属長の許可制」程度の規律保持の趣旨での規制は許されますが、業務都合で場内待機を命じたり、休憩時間中に業務従事させたりすることは勤務時間になりますので、当該時間数の代替え休憩付与が必要になることにも留意してください。
- 交代勤務等で1勤務が長時間となった場合でも法的には60分の休憩を設ければよいのですが、深夜勤務等での健康管理のためには仮眠ができる「2時間以上」を設けることが望まれます。(日本看護協会の夜勤ガイドライン)
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