就業規則3(三重医報 第679号掲載)
前号に続いて「就業規則3」について説明いたします。
- 就業規則は、労働者が遵守すべき事項・使用者の措置事項等を定めるものですが、労基法第89条には定めなければならない事項として「労働時間関係=始業・終業の時刻、休憩時間、休日、休暇、労働者を二組以上に分けて交替に就業させる場合には就業時転換に関する事項」「賃金関係=賃金の決定・計算・支払方法、賃金計算締切・支払日、昇給に関する事項」「退職(解雇の事由・処置を含む)に関する事項」を、又、制度があるならば定めなければならない事項として「退職手当関係=適用する労働者の範囲、退職手当の決定・計算・支払の方法、支払日」「臨時の賃金(賞与、1か月を超える計算期間の精勤・奨励等手当が該当)」「労働者の費用負担(食費等)」「安全衛生関係」「職業訓練関係」「災害補償・業務外傷病扶助関係」「表彰・制裁関係」「賃金からの控除(法定外は労使協定必要)」及び「すべての労働者に適用する規定」がありますので、必要事項の定めがあるか点検してください。
- 一般的に就業規則の第1章には「総則」を定め、適用範囲や原則を表明しますが、就業規則は「すべての労働者」に適用するものですから、別に「パート従業員用」等も作成する場合は適用範囲を定める条文に「但し、パートタイム従業員等の就業に関して別の定めをした事項は、その定めによる(例文)」等の除外・委任規定を設けてください。
- 又、労働関係法令が改正されて就業規則の改訂が必要となったとき等に、規則改訂が遅れると一時的に「違法な就業規則」になることもありますので、「この規則に定めのない事項は、労基法その他の法令の定めによる(例文)」との条文を設けておくこともよいのではないかと思います。
- 労働者だけに「規則遵守」を規定した規則が見受けられますが、規則は労使双方が履行するものですから、その趣旨での記述に留意してください。
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