労働契約法が改正されて、平成25年4月1日以降に労働者を期間を定めて雇用するとき、雇用契約の更新をして継続5年を超える場合は労働者が申出れば次の雇用契約は期間を定めないものとしなければならない(有期雇用契約の無期雇用契約への転換=特例除外あり)ことになっていますが、その適用を受ける5年経過は、いよいよ来年4月1日からとなります。
特例による除外は、有期雇用契約特別措置法によって「事業期間を定めた業務に従事する専門職種(第1種)」と「無期契約定年(60歳以上)後の再雇用での有期雇用契約(第2種)」の労働者には、除外のための「計画申請(労働局長あて)→認定」を条件として無期雇用契約への申込権はないとされています。
一般に、仕事の質量等の相違により正職員と非正職員の労働条件を区別して、非正職員には有期雇用契約を締結する例が多く見られ、その場合、就業規則も別規程とされていることもあると思います。
法改正の趣旨を踏まえて、雇用期間を更新して5年を超えることとなった有期雇用契約職員から申出があれば正社員とするとお考えの医療機関にあっては何ら問題はありませんが、定年後有期契約職員の除外や雇用期間は無期契約に転換しても「仕事の質量等の相違による労働条件区別」は続けたいとお考えの場合は、事前に、申出のあった対象者に対する労働条件を検討し、計画申請、就業規則等の整備も必要になります。
政府は「働き方改革実行計画」を発表して「同一労働同一賃金」等の法律強化を目指しており、本年9〜10月を「取組促進キャンペーン期間」として各企業での準備を啓発していますので、これらを踏まえて、トラブルが起こらない無期雇用契約への転換制度確立を早めに検討されますようお願いいたします。
各医療機関で「無期雇用契約への転換、その処遇」等について検討される際に、アドバイザーの助言をお望みの場合は是非ご連絡ください。