8月号に続いて「働き方改革関連の法改正」の内、今月は長時間労働抑制のための勤務間インターバル制度について説明いたします。
過重労働に関連する虚血性心疾患・脳血管疾患等の労災認定については、医学知見に基づく「認定基準」があり、発症直前の休日・時間外労働の状況、労働の密度・質、職場環境等が問題とされますが、「休憩・休息なく連続する労働」も大きな発症要因となるものであり、今回の法改正において過重労働防止の観点から「勤務間インターバル制度」の普及促進が示されています。
この制度は、文字通り1勤務(時間外労働を含む)を終えてから次の勤務(出勤)までの間に一定の休息時間(生活・睡眠等の時間)を確保することを求めるものですが、平成18年に施行された「労働時間等設定改善法」の改正により来年4月1日から事業主の努力義務となります。
この仕組みは、結果として職場での1日の拘束時間(勤務・休憩時間の合計)の限度につながり、必然的に1日の労働時間も制約されることになりますので、望ましい休息時間数については、今後「過労死等防止対策に関する大綱(過労死等防止対策法)」に関連して有識者検討会で、グローバルな視野、業種・職種等の特性(医療機関・医療従事者を含む)等を踏まえて検討されます。
既に「看護職のWLB取組」等で勤務間インターバル制度導入を進めておられる医療機関もあると思いますが、「休息時間9時間以上」での導入をお考えであれば、「時間外労働等改善助成金制度(厚労省インターネット情報あり)」がありますので活用することもお考えください。
1日の勤務時間が長くなり次の勤務までの休息時間(生活時間)が短くなると、健康回復のための睡眠時間が確保できないだけでなく家庭生活への支障も大きくなり、結果として職員が働きやすいと感じ・働きがいを持って業務に従事することも期待できなくなり、必要な職員確保に支障を来すことにもつながりますので、先ずは、翌日の勤務を考えて長時間の時間外労働の禁止措置を取る等の体制整備をお願いいたします。