政府が進める「働き方改革」に関して、労働基準法等の第一弾改正施行がいよいよ4月1日に迫ってきましたが、時間外・休日労働の労使協定、年次有給休暇の時季指定付与等のご準備は進んでおりますでしょうか。
医業にとっての働き方改革は、全産業の中で過重な状態と言われる医療従事者の勤務環境を生活とのバランスを整えて働きやすく改善することであるという基本的な考え方の下、1月11日に開催された「医師の働き方改革に関する検討会(厚労省)」では、昨年2月に発表された「医師の労働時間短縮に向けた緊急的な取組」の実施状況について調査結果が纏められました。
調査は、労働時間の適正管理・36協定運用点検・長時間労働疲労での医師面接指導・タスクシフティングの推進・女性医師等への出産時期等の支援・医師の労働時間短縮の取組状況を纏めていますが、中でも、医師の業務範囲を軽減するための「タスクシフティング取組」が70%の医療機関で実施されていることに比して、その他の取組は40〜50%の実施にとどまっていると分析されており、医師の業務軽減取組が全般に進んでいないと思われます。
検討会では、これらの取組の中でも「タスクシフティング」により長時間の時間外労働を担う医師の業務軽減、「産業保健の仕組みを活用」して睡眠が取れていない医師への勤務配慮、「当直明け負担軽減・勤務間インターバル確保」により医師の長時間業務後の休息確保を図ることで、医師の健康確保対策を進めることが緊急課題であるとの呼び掛けをしています。
全ての医療従事者の働き方改革は将来への地域医療体制確保に重要と位置づけられる中で、特に勤務医の過重労働の防止は医師人材確保・医療レベルの向上に必須の課題であり、各医療機関の事情を踏まえてできることから自主的な取組が求められますが、検討会の呼び掛け事項、及び、4月1日からの労基法改正施行にも関して「医師の在院時間把握」「36協定限度内での時間外・休日労働管理」「長時間勤務医への健康管理」(インターネット検索「第16回 医師の働き方改革に関する検討会」資料4)の取組も併せて推進いただき、又、当センターに助言申入れを賜れば幸いです。