医師の「働き方改革」へ向けた医療勤務環境改善マネジメントシステムのご案内
(三重医報 第703号掲載)

 働き方改革実行計画に関する法整備等が進められる中で、「長時間の時間外労働規制・年次有給休暇時季指定付与・勤務間インターバル制度の普及促進、産業医・産業保健機能の強化」に関する労働基準法・労働安全衛生法・労働時間等設定改善法の改正が4月1日から施行されていますが、このうち「医師」の時間外労働の上限規制は診療業務の特殊性の観点から「地域医療提供体制確保等と医師の健康確保の両立」を基本認識として検討することとされ5年間の適用猶予となったことはご了承のことと存じます。

 「医師の時間外労働規制のあり方医師の労働時間の短縮策」につきましては、厚生労働省に設置された「医師の働き方改革に関する検討会」が①医師の働き方改革に当たっての基本的な考え方②働き方改革の議論を契機とした今後目指していく医療提供の姿③医師の働き方に関する制度上の論点を本年3月の報告書に取りまとめていますが、当面の「医師の労働時間短縮に向けた緊急的な取組」も昨年2月に、特に●タスクシフティング(業務移管)による医師業務削減●睡眠確保重視の医師勤務配慮実施●勤務間インターバル確保(特に当直明け配慮)について優先取組を提案しています。

 診療業務の特殊性(応召義務等)から特定の医師が長時間労働を避けられないとしても、過重な就労によって健康が損なわれてよいものではなく、業務軽減の工夫が必要であることは言うまでもないことで、平成26年の医療法改正に基づく医療勤務環境改善マネジメントシステムに関する指針啓発のための「導入手引き」をベースに「医師の働き方改革へ向けた医療勤務環境改善マネジメントシステム導入の手引き」が本年3月に新たに作成され、テーマに合わせた取組事例もお示ししています。

 全ての医療従事者が働きやすい職場作りを進めていただくことは大切なことですが、なかでも長時間労働の現状が明らかな中で業務の特殊性から労働時間規制が猶予された「医師今できる働き方改革」が緊急の課題であると思いますので、この手引き(インターネットいきサポ マネジメントシステムで検索できます)を活用していただきますようご案内申し上げます。

 なお、ご連絡いただけば労務管理アドバイザーがご助言させていただきます。

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