新型コロナウイルス労務管理1(三重医報 第713号掲載)

新型コロナウイルスに関係する労務管理について

 当センターが平成26年に開設して以来7年となる令和2年度も、引き続き三重県の医療機関における医療従事者の勤務環境改善取組に対する労務管理全般にわたる支援等をさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。
 本年は年頭から、中国での発生に端を発した「新型コロナウイルス」による肺炎の世界的な感染拡大で、我が国においても一般的な生活も支障を来す状態になっていますが、労働者が就労する職場に関しても感染防止のための種々の制約が生じていますので、今号では、労務管理のうえで留意していただきたいポイントをお知らせいたします。

 2月~3月には、感染防止のために小学校・幼稚園等が臨時休業し、該当する児童等の保護者が仕事を休む必要があるとき、企業が「特別休暇を付与し賃金全額を支給」した場合は、企業に対して支払い賃金を補填する「小学校休業等対応助成金」の制度が設けられたことはご案内のとおりですが、この場合、労働者の判断で年次有給休暇を請求したときは、それを付与することになると共に助成金の適用はありませんので注意してください(事後的な振替が可能な場合あり)。

 労働者本人が感染者」となったときは、勤務する医療機関での院内感染であれば業務に起因した疾病罹患として労災対象となる可能性が高いので、所轄労基署に相談していただくことが望まれますが、個人の行動・生活での感染であれば使用者の理由でなく私病(健保)であり休業手当支給は不要ということになります。

 感染の疑いで帰国者・接触者相談センターに相談した結果、就労可能と判断され本人が出勤の意思を示したときや、発熱があるのみの労働者を周囲が心配する等の理由で休暇を命じたときは、使用者側の理由によるものとして休業手当支給が必要となります。

 なお、「雇用調整助成金」は、感染症拡大防止のため感染者との濃厚接触者とされる労働者に休業を命じたときの休業手当費用を助成するよう拡大され、また、感染症対策として休暇制度を就業規則等に定めた中小企業事業主に助成金を支給する「時間外労働等改善助成金」は特例として5月末まで延長されていますので、必要に応じて三重労働局職業対策課・雇用環境均等室にお問い合わせください。

*この他にも、インターネット新型コロナウイルスに関するQ&A(企業向け)で厚生労働省から情報が発信されておりますので参考にしてください。

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