4月号で新型コロナウイルスに関しての職員の休暇取扱い等について説明いたしましたが、日本医師会からも「医療従事者の就業制限に関する考え方」が発出されており、政府からは7都府県緊急事態宣言も出されていることから、今後の状況の推移も考えて「緊急事態における労務管理のポイント」を追加してお知らせいたします。
「時間外労働の限度時間」は、改正労基法施行により法律規定による規制となりましたが、新型コロナウイルスへの緊急対応での「労使協定の時間外労働限度時間超過(医師以外では特別条項による延長限度時間超過)」及び「休日労働協定日数超過」は、「災害その他避けることができない事由による臨時の必要がある場合(労基法33条1項)」に該当すると行政判断がされていますので、医療機関において「感染者の発生・受診等でやむを得ず労使協定時間数超過・休日労働協定日数超過」が生じる場合は所轄労基署長あてに許可申請(やむを得ない事情あれば事後も可)を行えば違法とはなりません。
通常は所定勤務時間を超えての就労がなく「時間外労使協定」を締結していない診療所等でも、当該理由での法定労働時間を超える勤務が生じた場合は所轄労基署長の許可を受ける必要がありますのでご留意ください。
労働安全衛生法に定める「雇入れ時・定期(1年1回)・特定業務(深夜業等6か月に1回)の健康診断」の実施、「衛生委員会(常時労働者数50人以上の事業場)」の開催(毎月)については、厚労省労基局長通達で新型コロナウイルスの状況を踏まえて6月末までは実施猶予がされていますので、職場での職員の密接防止の観点からご配慮ください。
小学校が臨時休業等で児童等の保護者が勤務できないとき、企業が特別有給休暇(労基法の年次有給休暇とは別に賃金全額支給)を労働者に付与すれば、助成金(1人1日上限8330円)を支給する「小学校休業等対応助成金」は、6月30日までの休暇に延長され、対象労働者は雇用保険被保険者以外にも拡大されていますが、職員が当初は「年次有給休暇」を取得していた場合に、残日数が無くなった後の休暇を事業主が「特別有給休暇」として賃金全額を支払うときも助成金が支給されますので、制度を活用してください。
*この他、職員・受診者が感染で休診の場合に職員の解雇を回避して「休業」させる措置に対する「雇用調整助成金」の制度拡充等も、インターネット「新型コロナウイルス関連情報・Q&A」等に掲示されていますのでご注目ください。