新型コロナウィルス労務管理3(三重医報 第715号掲載)

新型コロナウイルスに関係する労務管理について3

 新型コロナウイルス感染症拡大の状況は、皆さまのご尽力で私たちの普通の生活を取り戻せるレベルに近づいてきましたようでホッとしておりますが、今更ながら、健康生活の維持に「医療」が如何に大きな役割を果たしているかを実感いたしました。

 4月号から、感染症対策の中での労務管理に関して留意していただきたいこと等をお伝えしてきましたが、一般の社会生活では、感染症拡大防止のための行動規制緩和が進められる中で、誤った情報や恣意的な意識を基にした人権侵害行為が見受けられることが報じられていますので、特に感染危険度が高い医療現場の職場での「新型コロナウイルス感染症に関連したハラスメント行為の防止にご留意いただきますようお願いいたします。

 職場でのハラスメント防止につきましては、昨年12月号・本年1月号に記事を掲載(センターホームページにバックナンバー掲載)していますが、従来からの「セクハラ、妊娠・出産・育児に係るハラスメント」に併せて、本年6月1日(中小医療機関は2022年)からは「パワーハラスメント」も法律に基づく禁止行為となっており、感染症に関することとしては、感染症診療従事者、感染症治癒後職場復帰者(当然、検査結果が陰性確定)等への理由なき断絶 感染症関連業務を正当な理由で回避した職員への中傷 〇年次有給休暇取得者への中傷 感染防止行動等についての明らかに過度な強制、指導を超えた叱責等が考えられますが、行為者個人の問題と捉えず、医療機関としての適正な感染防止方針の下で、管理者が率先して適確な職場の快適な人間関係形成」に取り組んでいただきたいと思います。

 新型コロナウイルス感染症の地球規模での拡大は、人類の歴史に大事件として記憶されるできごとであると思いますが、それを乗り越えて豊かな生活を取り戻すには、人々の命・健康を守る地域医療体制の確立が何よりも大切であることが証明されたできごととも言えると思います。
 今後ともに、医療機関の使命を果たす医療従事者の皆様が安心して・働きがいを感じて・働きやすい、勤務環境作りを推進していただきますようお願い申し上げますと共に、関連事項に限らず労務管理に関する疑義問い合わせ等、当センターご利用をいただきますようご案内申し上げます。
 新型コロナウイルス関連の「雇用調整助成金の制度特例拡充(支給申請簡便化)等も、インターネットに「情報・Q&A」等が掲示されていますのでご注目ください。

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