新型コロナウイルス感染症の拡大を防止しながらの新しい生活様式が求められる当面の社会事情の中、陽性患者の診察・治療に限らず発熱受診者への対応等で、社会的使命を果たしていただいております医療機関、及び、身体・精神ともに大変なご苦労をしておられます医療従事者の皆様に感謝申し上げます。
このような状況の中でこそ、今後も医療従事者の皆様が自らの安全・安心を維持できる職場確立が大切であると思いますので「勤務環境改善」の一層の取組を進めていただきたく、今号では「働き方改革」として改正(昨年4月1日)された労基法の、令和6年4月1日施行となる「医師の時間外労働上限規制」に関して、医師の働き方改革に関する検討会(厚労省設置)が一昨年度に取りまとめた報告書に示された「医師労働時間短縮計画」について説明いたします。
厚労省では、同報告書において引き続き検討することとされた事項について、昨年度に「医師の働き方改革の推進に関する検討会」を設置し、検討を続けておりますが、直近の令和2年3月に開催された検討会では、「医師労働時間短縮計画策定ガイドライン骨子案」が示されています。
その概要は ●医師の年間の時間外・休日労働時間数が960時間を超える36協定を締結する医療機関は、時間外労働上限規制の適用前(令和5年度まで)と上限規制適用後(令和6年度以降)に期間を分けて、 ●医師(全員、又は、長時間労働を行う診療科や部署)の労働時間把握、的確な労務・健康管理を実施して ●医師の業務軽減のための「タスク・シフト/シェア」「診療体制の見直し」「更なるチーム医療の推進」等の工夫をすることを盛り込んだ計画を策定し ●医師の長時間労働の改善(国が設ける目標ラインを目安に目標値設定)に取り組むことを求めています。
この計画は、令和6年4月以降の「医師の時間外労働限度時間」の「B水準(地域医療確保のための暫定水準、1年の上限1860時間)」適用医療機関判断において、時短取組状況の評価要件となり、昨年度までの議論によると、令和3年度中に都道府県あて提出(新型コロナ事情で延期も想定されます)することとされていますので、特に、B水準協定が必要な医療機関では、既に周知された「医師の労働時間短縮に向けた緊急的な取組」を進められますと共に、各医療機関の事情に即した計画策定に向けて早期に準備していただくようお願いいたします。
追って、ガイドラインの発表があれば詳細をお知らせいたします。