36協定届の様式改正等(三重医報 第723号掲載)

「36協定届の様式改正等」について

 近時、行政手続きのデジタル化が進められる中で、行政手続きにおける申請・届出の「押印」が廃止されており、労基法施行規則改正により本年4月1日以後の時間外・休日労働に関する協定届(以下、36協定届)の様式が改正されました。

 36協定は、臨時に、労働基準法に定める法定労働時間(1週40時間・1日8時間 →1か月平均等での変形労働時間制もある)を越えて労働させる、又は、法定休日(1週1日 →4週に4日の変形休日制も可)に労働させる場合に備えて、雇用する労働者の過半数が加入する労働組合(労働組合がなければ、当該事業場の過半数労働者が民主的に選んだ代表者)と使用者がその内容を協定するもので、労基法施行規則では、届出者である使用者の「記名・押印、又は、署名」が求められていましたが、電子申請の推進に合わせて「記名のみでよいことに改正されたものです。

 今回の様式改正にあたっては、労働政策審議会労働条件分科会において「労使協定の締結が真に過半数労働者との同意により行われたこと、協定当事者の労働者代表が適正な資格者であることを確認することが必要」との審議がされ、その趣旨についての使用者の自己チェック欄も設けられました。

 自己チェック欄は、36協定届下段に2項目が追記され、労働者代表が労働組合である場合は第1項目のみのチェックですが、民主的に選考した過半数労働者代表の場合は2項目ともに確認チェックが必要で、チェックもれの場合は要件不備として労基署が受理しないこととされていますのでご注意ください。

 なお、大学病院・関係医療機関等の勤務医を兼業として受け入れておられる医療機関に置かれましては、双方の勤務時間は通算して労働時間となり、合計時間が法定労働時間を超える場合(本務の勤務がフルタイムの場合は兼業先の勤務は全て時間外労働となります)は兼務先医療機関での36協定が必要であり、協定未締結・労基署への未届は重大な法違反となりますのでご留意ください。

 また、その他の労基法・最低賃金法に関する申請・届出の押印廃止の手続き対象につきましては、インターネット厚労省の「労働基準法施行規則等の一部を改正する省令について」で検索できますので参考にしてください。

 当面、皆さまの勤務環境改善取組へのご支援・ご相談対応には訪問をご遠慮させていただき電話での問い合わせをしておりますが、感染症関連の労務管理上の問題等も含めて、ご質問等、当センターをご利用くださいますようご案内申し上げます。

戻る

このページの先頭へ